公開日:2020/12/07

形に残る思い出づくり!富士五湖観光の新定番「染め物体験」とは?

形に残る思い出づくり!富士五湖観光の新定番「染め物体験」とは?

富士五湖観光においても、人気が高い体験教室やワークショップ。富士山麓の地ならではといった、さまざまなネイチャー体験やクラフト体験が目白押しです。

今回は、その中でも一風変わった「染め物体験」をご紹介します。地場産業をコアにした、これまでにない切り口から楽しめるワークショップです。

体験レポートから、取材を通して感じた染め物の魅力まで、余すことなくお伝えしていきます。ぜひ最後までご覧ください。

“地場産業×体験×お土産”!富士五湖で楽しめる新感覚なハイブリット体験

5つの湖と点在する観光名所へのアクセスが良く、まさに富士五湖観光の中間地点とも言える山梨県・富士吉田市は、観光地としてだけではなく、全国有数の機織り(ハタオリ)産地としても知られています。

同市で製造される織物は、1,000年以上も前から多くの人々に愛されてきました。その伝統ある地場産業の一端を担っているのが、染色加工の技術です。

本記事でご紹介する染め物体験は、そんな旅先の文化と思い出をお土産として持ち帰ることができる、新感覚なハイブリット型ワークショップとなっています。

旅の思い出を色鮮やかに!織物のまちで体験できる“染め”の技術

今回お邪魔させていただいたのは、後染め・後加工を専門とする市内で唯一の染色加工業者、【丸幸産業株式会社】さんが開催されている染め物体験ワークショップです。

山梨県内でも類を見ない、個人向け染め直し加工の請負サービスも行う同社が手掛けるワークショップでは、染め上げる過程で工業用の機械も使用する本格的な染め物体験のほか、染色工程の合間に用意されている多彩なコンテンツもお楽しみいただけます。

▲創業より半世紀以上の歴史を誇る、山梨県・富士吉田市の老舗染色加工業者【丸幸産業株式会社】

思い出はリメイクする時代へ!山梨県・富士吉田市で「染め物体験」してきました

こちらのワークショップでは、衣類はもちろんのこと、トートバッグや暖簾など、お好みの布製品を3点まで持ち込み可能となっています。

同社が提供する通常の個人向け染め直しサービスよりも、お得な料金で体験できることがうれしいポイントです。ここからは、実際の染め物体験の様子をお伝えしていきます。

①ガイダンス~カラー選定

▲ガイダンスの様子

まずは、スタッフさんからのガイダンスです。富士吉田市と機織り産業の関係性や、先染めと後染めの違い、同社の歴史やサービスについてお話していただき、織物と染色加工に関する知識を深めることができました。

その後、同ワークショップで体験できる「ムラ染め」と「タイダイ染め」についてのご説明を受けて、染色方法と染料の選定に移ります。

筆者を含めた参加者の皆さんも、両方の染色方法にチャレンジされていました。

▲カラーサンプルを参考にお好みの色を選定

お好みの色を決めた後は、調合した染料をスタッフさんがご用意してくださる間に、参加者一同は染め上げ前の下準備に取り掛かります。

②下準備~染色 「ムラ染め」編

▲「ムラ染め」の下準備完成イメージ

うつくしいグラデーションが特徴的なムラ染めの下準備では、布製品をネットに入れて筒状に整え、きつく結わえて上記にある完成イメージのような形に仕上げます。

この段階でしっかりと圧縮されていなければ、キレイなムラにならないとのこと。見た目ほど簡単ではありませんでしたが、振り回したり、叩きつけたりしながら詰め込むダイナミックな作業は楽しかったです。

余談ですが、筆者はヘタレなので、大部分をスタッフさんにお力添えいただき、なんとか仕上げることができました。

▲下準備を終えた布製品を染料に漬け込んで染め上げます

下準備を終えた布製品は、そのままスタッフさんの手で染料に漬け込んでいただきます。染料を高温にすることにより、色が浸透しやすくなるそうです。

②下準備~染色 「タイダイ染め」編

▲「タイダイ染め」の下準備完成イメージ

「タイダイ=Tie dye」とは、直訳すると“絞り染め”という意味。筒状に仕上げるムラ染めの下準備とは対照的に、タイダイ染めの下準備では、平たい円状になるよう形を整えていきます。

仕上がりのデザインをイメージしながら、渦の中心となる始点を定めて巻き取り、最後に輪ゴムでブロッキングして完成です。

▲染色時の目安となるブロッキング

下準備を終えたら、いよいよ染色工程に入ります。あえて上記のような下準備をせずに、布製品をそのまま広げて染色する方法もあり、グループ毎に、思い思いのデザインを目指して作業を楽しむ様子が見られました。

③蒸らし~乾燥~完成

▲今回ご一緒させていただいた参加者の皆さんが染め直した布製品

染色工程まで終えれば、ムラ染め、タイダイ染めともに作業はひと段落。この後は、色を定着させるための蒸らし、乾燥の工程を経て、お待ちかねの完成となります。

待ち時間も有意義に!おすすめは「観光名所巡り」と「クラフト体験」

染色後の工程に入ってから受け渡しまでには数時間かかりますが、同ワークショップでは、待ち時間も退屈しない魅力的なコンテンツが盛りだくさんです。

ここからは、スタッフさんにご案内していただく工場見学の一部始終や、おすすめしたい自由時間の過ごし方をご紹介していきます。

蒸気と機械が織りなすフォトジェニック空間!歴史感じる「ファクトリーツアー」

▲ノスタルジーな雰囲気が漂う工場内には、蒸気が揺らぐミステリアスな空間が広がる

染色の作業が終わった後、しばしの休憩を挟んで参加者一同が向かったのは同社の工場見学です。建物内に広がるフォトジェニックな光景と、趣がある見慣れない工業用機械の数々に、思わず胸が高鳴りました。

本記事で掲載している写真はほんの一部ですが、同社では工場見学のみもOKとのこと。お問合せの上、ぜひ足を運んでご覧になってみてください。

▲工場内には、思わずシャッターを切りたくなるようなポイントがいたる所に

スタッフさんに解説していただきながら工場内を一巡りしたら、完成品の受け渡しまで自由時間です。夜や翌日に備えてゆっくりと休憩するのも良いですが、今回は富士五湖観光を存分に満喫したい方に向けて、おすすめの過ごし方を2パターンご紹介します。

おすすめプラン① 富士五湖周辺の「観光名所巡り」

▲富士五湖観光の定番スポット【新倉山浅間公園・忠霊塔】(画像提供元:富士吉田市役所)

ひとつ目のおすすめプランは、王道の観光名所巡り。同社が位置する富士吉田市内には、【新倉山浅間公園・忠霊塔】をはじめとする、富士五湖観光の定番スポットがあります。時間が許す限り旅を楽しみたいという方は、ぜひ周辺を散策してみてはいかがでしょうか。

おすすめプラン② クラフト体験も一緒にできちゃう「サルボボ作り」

▲飛騨弁で“猿の赤ん坊”という意味の「サルボボ」

ふたつ目のおすすめプランは、クラフト体験です。希望者は、追加料金なしで体験することができます。

家庭円満や安産のお守りとして、岐阜県飛騨地方で古くから作られてきたサルボボや、子孫繁栄に縁起が良いとされるトチの実とサルボボを組み合わせたストラップ作りが体験可能です。

クラフト作りに興味がある方は、ぜひ染め物体験と併せてチャレンジしてみてください。

富士吉田市発!これからの“衣”のカルチャーを刷新する染色加工技術

ここまで【丸幸産業株式会社・染め物体験ワークショップ】の模様をお届けしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

同社は、昨今、外食産業や移住促進に関する取組が活発な山梨県・富士吉田市において、衣食住の“衣”の領域であたらしい価値観を創出するための取組に注力されている企業でもあります。

最後は、そんな同社が手掛ける個人向けサービスのご紹介です。郵送でも対応可能とのことなので、リメイクしてまた着たい、思い出の衣服がある方はぜひお試しください。

丸幸産業株式会社が提供するサービス

▲3Dプリンターで製造されたナイロン素材の製品を染色加工したもの
  • 後染め(布地・製品・古着)
    …タイダイ染め、マーブル染め、絞り染め、カゴ染め
  • 後染め(古着の単色染め / 黒・紺)
    求められる素材…綿、レーヨン、ウール、ナイロン、キュプラ、ポリエステル
  • 後加工(生地・製品)
    …洗い加工、柔軟加工、硬仕上げ加工、シワ加工、ダメージ加工、バイオ加工、ボールバイオ加工、塩縮加工、ネージュ・フォンデュ加工
  • 後加工(その他ウール専門加工)
    …縮絨加工、防縮加工、ソフト加工
▲後染め・後加工のご注文は1点から可能です

会社からのメッセージ

▲丸幸産業株式会社を経営されている堀内さん御一家

富士五湖観光における富士吉田市といえば、富士急ハイランドや吉田のうどんなどの印象が強いかもしれませんが、実は古来より栄えていた歴史ある機織りの名産地でもあります。この地には、その伝統を受け継いだ繊維業・染色業などの仲介業者がまだたくさん残っています。富士五湖に訪れる際には、ぜひ遊びにいらしてください。(丸幸産業株式会社 広報・堀内洋平さん)

丸幸産業株式会社様の関連情報

丸幸産業株式会社様の関連情報は、以下のリンクよりご覧いただけます。

文 / 三枝善貴
写真 / 松井翔(MATSUI WEB WORKS)

※本記事内に記載されている内容は、全て取材時点の情報です。常に情報の正確性を保証するものではございませんので、予めご了承下さい。最新の情報については、会社のHP、SNS等でご確認いただくか、会社まで直接お問合せをお願い致します。尚、本記事内の写真、文章につきましては、一切の無断転載・無断使用を禁止させていただいております。

この記事を書いた人

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